ローマ人の物語

ポンペイウス劇場

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunesローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461お…

裁判日程

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生は ローマの裁判では、告発者が告訴理由を述べるのに二日、弁護側の弁論に三日が費やされるのが決まり…

ゲルマニクスの寝室にまで押しかけた古参兵

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunes …ケルンの冬営地には、第一と第二十軍団の他に、除隊の手続を待つ古参兵が集まっていた。白紙撤回を誰よりも怖…

皇帝警護

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生は皇帝警護の任務について次のように書く。 皇帝の警護は、カエサルがはじめて以来、ライン川以西のゲ…

フリシイ族反乱

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生は、紀元28年フリシイ族反乱の発端について次のように書く。 ティベリウスの対ゲルマン民族対策の一つ…

なぜティベリウスはリウィアの葬儀を欠席したのか?(2)

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunes リウィアとの関係 塩野七生は、ティベリウスとリウィア(ユリア・アウグスタ)との関係については、ほぼ何も書い…

なぜティベリウスはリウィアの葬儀を欠席したのか?(1)

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生はティベリウスが紀元29年の実母リウィア(ユリア・アウグスタ)の葬儀を欠席した本当の理由として、次の…

元老院の感謝の決議とは?

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生はカプリ隠遁後のティベリウスの統治の事例として火災対策を挙げ、次のように書く。 ティベリウスの対…

不法誅求という武器

このセイヤヌスの使えた「武器」は、法システムの創始者ローマだけに、機動隊に似た近衛軍団九千の兵士以上に法律であった。国家反逆罪法と姦通罪法の二法である。*1 年代記にはもう1つの武器として不法誅求の罪があり、多くのケースで有罪となっているだけ…

国家反逆罪の罰について

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生は 国家反逆罪では処刑、姦通罪では追放刑に処された。*1 と書いているが年代記3巻50節 には 「・・・しか…

食糧不安は少なくとも2度あった

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生によると ティベリウスの二十三年間におよぶ治世の間に、一度だけ食糧不安が起きたことがある。*1 だが…

タキトゥスはただの元老院議員ではない。

ローマ人の物語〈7〉― 悪名高き皇帝たち発売元: 新潮社価格: ¥ 3,570発売日: 1998/09売上ランキング: 45355おすすめ度 posted with Socialtunes タキトゥスは元老院議員、スヴェトニウスは皇帝秘書官だった。*1 いずれにしても、二人とも、元老院議員であ…

パンとサーカス

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生が「パンとサーカス」の「パン」が社会福祉政策であると述べた後に「サーカス」について書いた1段落を…

神殿と饗宴の差異について

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes 神殿は神に祈る場であって、入浴やマッサージの場ではなく、葡萄酒を飲みながらの「饗宴」(シンポジウム)を楽…

相談役は一人もいないか?

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生はティベリウスのカプリ隠遁の同行者には 政治や軍事の相談役を務められそうな人物は、一人もいない。*…

ひょっとして塩野七生は年代記を読んでいないのではないか?

ローマ人の物語〈18〉悪名高き皇帝たち(2)発売元: 新潮社価格: ¥ 420発売日: 2005/08売上ランキング: 8461おすすめ度 posted with Socialtunes タキトゥスは死傷者数を五万としているが、中世の写本には数字の誤写は多いので、ゼロが一つ少なかったとする…

塩野七生の些細なミスと思われるもの、いくつか

ブラエスス 軍団長ブラエスス*1 ブラエススは軍団長ではなくパンノニア属州総督である。紀元10年補欠執政官。 年代記1巻18節 クィントゥス・ユニウス・ブラエスス - Wikipedia グナエウス・ピソ ピソは、わたしの父(アウグストゥス)の友人であり軍団長でもあ…

息子の死の前後のティベリウス

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunes 塩野七生の読解では、年代記4巻6節で列挙される国家運営についてのタキトゥスの評価(4巻7節)は これら全ての…

アフリカ属州の軍団指揮権の帰属について

元老院属州と認定された属州の統治に赴任する総督には、軍団指揮権が与えられていなかった。政治は担当しても、軍事は職権外であったのだ。たとえその地に軍団が常駐していても、その軍団の指揮権は皇帝が任命権を持つ軍団長にあった。*1 まず、この頃の軍団…

ドゥルススのもう1つの業績

また、公共事業の請負業者の不正を一掃したのも彼(ドゥルースス)だった。*1 年代記3巻31節ではコルブロの父がイタリアの道路の請負業者と政務官への批難と関係者の告発を行ったことになっている。ここの記述では コルブロの父が、ドゥルーススに、 イタリ…

ドゥルーススに対する奇妙な評価

そして三十三歳のドゥルーススも、なかなかに良くやった。元老院内が若手と老年に二分して世代間の意見対立が表面化していたのも、若手組の筆頭の彼の調整で収めることに成功している。*1 該当するのは」年代記3巻31節の挿話だろう。コルブロの同名の父が剣…

ゲルマニクスの幕僚

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunes塩野はゲルマニクスとピソの対立の原因としてピソの性格と、2人の妻アグリッピーナとプランキーナの対立の2点を…

タキトゥスの叙述

p.152のゲルマニクスとアレクサンドロスを比較している文は正確にはタキトゥスがある人の話として紹介しているのであって彼自身の意見ではない。年代記2巻73節 これはタキトゥスの叙述テクニックであるとは言えるだろう。さらに塩野は、年代記の該当部分では…

ゲルマニクスが庶民派であることを示すエピソード

部下の兵たちの本心を知りたくて、日没後に一兵卒に姿を変えて彼らの天幕をまわり、兵たちの声に秘かに耳を傾けたというエピソードもある。*1 これは紀元16年のゲルマニア戦役*2での挿話だろう。塩野はゲルマニクスが庶民派であることを示すエピソードとして…

ウェラニウスは執政官ではない。

ただし属州化でも色合はちがった。カッパドキアの初代総督には執政官経験者のヴェラニウスが赴任している事実からも、ティベリウスの意図が恒久属州化にあったことは明らかである。一方、コマゲネの初代総督は執政官はまだ未経験の法務官セヴェルスであった…

3人の将軍は凱旋式を挙行したか?

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunes塩野七生によると ゲルマニクスと配下の司令官三人に、首都での凱旋式挙行の許可を与えた。*1 しかしタキトゥス…

カエキーナはピソを告発していない

告発者はカエキーナ*1 とあるが 年代記3巻13節と19節にでてくる告発者はセルウァエウス、ウェラニウス、ウィテッリウスである。 セルウァエウスはQuintus Servaeusで年代記2巻56節で(ゲルマニクスかピソによる任命で)コンマゲネの統治者となった人である。…

属州への妻の同行を禁ずる提案について p.227-233

ローマ人の物語〈17〉悪名高き皇帝たち(1)発売元: 新潮社価格: ¥ 460発売日: 2005/08売上ランキング: 4109おすすめ度 posted with Socialtunes それにしても興味深いのは、妻の同行を禁ずるとした法の提案者が、ゲルマニクスの元で低地ゲルマニア軍団の司…