『ローマ史』55-12

ルキウス*1とガイウス*2の遺体はトリブーヌス・ミーリトゥム*3と各都市の代表によってローマに運ばれた。そしてユウェネス*4の一員となった騎士から受け取った黄金の小円盾と槍が元老院議事堂に飾られた。アウグストゥス*5がかつて市民に「主人」と呼ばれた時、何人にもこの形式の呼称を彼に使うことを禁じただけでなく、その命令を強めるため非常に気をつけた。アウグストゥスの3度目の10年任期が完了したので、表面上は請われた形でだが、4度目の指導権を受理した。アウグストゥスは年齢を重ねる毎に穏やかになり、元老院議員から憎まれたくなかったので彼らを傷つけたくなかった。6000万セステルスを3年間無利子で必要とする人に貸し出したのでアウグストゥスは皆から賞賛され褒め称えられた。かつて、火災で宮殿が破壊され多くの人々が多額の金銭を提供した時、アウグストゥスは全共同体から1アウレウス*6ずつと一個人から1デナリウス*7ずつ以外は受け取らなかった。ここで私はローマの慣習に従って、アウレウスという語を使う。この貨幣の価値は100セステルス*8である。ギリシア人の何人かも純粋なアッティカ様式*9を備えたその本で、この貨幣をその語で呼んだ。ギリシア人の間ではアウレウスは20ドラクマ*10と交換されるとディオは言う。アウグストゥスは家を建てた時、それを全て国有財産にした。人々の寄付のためか、アウグストゥスがポンティフェクス・マクシムス*11であり公私を兼ねた住居に住みたかったためかのいずれかの理由による。