カッシウス・ディオ

『ローマ史』55-16

「確かにあなたが正しいです。」 リウィア*1は答えた。 「そして私にはあなたへの助言があります。―すなわち、もしあなたが助言を望むのなら、そして私を非難しないのなら、なぜなら私は女ですが、あなたにあることを提案する勇気を持っています。他の誰も、…

『ローマ史』55-15

これにアウグストゥス*1は返答した。 「しかし妻よ、私も高い地位にいないことが常に妬みや裏切りから自由であり、一人支配はそれから最も遠いことに気づいている。確かに、もし私たちが全ての市井の人々を彼方にして、いざこざも心配事も恐怖も持たなければ…

『ローマ史』55-14

アウグストゥス*1がこのように忙しかった間にも、様々な人々が彼に対して陰謀をめぐらした。特にその中にグナエウス・コルネリウス、大ポンペイウス*2の娘の息子、がいた*3。アウグストゥスはその結果にしばらくの間非常に当惑した。彼らを破滅させてもずっ…

『ローマ帝国の国家と社会』の『ローマ史 55巻』への参照

4節 p.222 cf.のみ 5節 p.160 選挙供託金 7節 p.222 cf.のみ 10節 p.223 ユリアに関する裁判 13節 p.200 部分的ケンスス 14-20節 p.221 リウィアの説得 19節 p.222 リウィアの説得 22節 p.222 リウィアの説得 24節 p.155 按察官不足 26節 p.133 消防隊組織 3…

『ローマ史』55-13

人々はアウグストゥス*1に娘の追放の解除を非常に強く要求したが、火と水が混じり合うまでは解除しないと答えた。そこで人々はティベリス河に多くの松明を投げ込んだ。その時は何ら成果はなかったが、後に彼女が少なくとも島から本土に移される圧力にはなっ…

『ローマ史』55-12

ルキウス*1とガイウス*2の遺体はトリブーヌス・ミーリトゥム*3と各都市の代表によってローマに運ばれた。そしてユウェネス*4の一員となった騎士から受け取った黄金の小円盾と槍が元老院議事堂に飾られた。アウグストゥス*5がかつて市民に「主人」と呼ばれた…

『ローマ史』55-11

ティベリウス*1は非常に星による占いに精通していたらしい。そして占星術の達人であるトラシュッルス*2を伴っていたので、ティベリウス自身とガイウス*3とルキウス*4の双方に待ち受けている運命は何か十分正確な知識を持っていた。かつてロドス島*5でティベ…

『ローマ史』55-10 (5)

しかしアルメニア*1人はティグラネス*2が蛮族との戦いに散り、エラト*3が主権を返上したという事実にも関わらず、彼ら自身がメディア*4のアリオバルザネス*5に譲渡されたためにローマ人との戦争を継続した。アリオバルザネスはかつてティリダテス*6と共にロ…

『ローマ史』55-10 (4)

〜〜〜〜 アエギュプトゥス*1から彼らに向かって行軍した他の者達、そしてプラエトリアーニ*2からのトリブーヌス*3が派遣されるまで屈しなかった。この男はそのうち彼らの進入を監視したのでその結果、長期間元老院議員はこの地域の諸都市を管理しなかった。…

『ローマ史』55-10 (3)

*1ガイウス*2は平和にイステル河*3の軍団の指揮を執った。戦闘はなかった。戦争が勃発しなかったからではなく、ガイウスが平静に安全に支配することを学んでいたからだった。一方危険な任務は一般に他の者に割り当てられた。アルメニア人*4が反乱しパルティ…

『ローマ史』55-10 (2)

これから述べることついてはアウグストゥス*1は公表していない。娘のユリア*2が夜中にフォルム*3やロストラ*4の上での祭り騒ぎや酒宴に加わったという非常に不道徳な行為をとうとう発見した時、大変に腹を立てた。アウグストゥスは以前彼女が正しい生活を送…

『ローマ史』55-10 (1)

アウグストゥス*1は穀物の配給を受ける市民の数を20万人に制限した。これは以前は固定されていなかった。また言われるように各人に60デナリウス*2の施しをした。 散逸 フォルム・アウグストゥム*3はどのように奉献されたか。 散逸 そこにあるマルス*4神殿は…

『ローマ史』55-09

翌年*1、ガイウス・アンティスティウスとラエリウス・バルブスがコンスル*2だった年、アウグストゥス*3は、ガイウス*4とルキウス*5が決して彼の振る舞いを見習おうという気持ちを持たないことがわかって苛立った。彼らは帝室の一員として育てられ、若者に成…

『ローマ史』55-08

ティベリウス*1はグナエウス・ピソ*2と共にコンスル*3となったその年*4の初日にクリア・オクタウィアエ*5に元老院を召集した。そこがポメリウム*6の外にあったからだ。ティベリウスが自分とドルスス*7の名前を記すためにコンコルディア神殿*8の修復の任務を…

『ローマ史』55-07

しかし、マエケナス*1が死に、悲嘆に暮れた。アウグストゥス*2はマエケナスのおかげで多くの利益を得たので、エクイテス*3であったが、長い間首都の監督を任された。だがマエケナスの特別な功労はアウグストゥスが気持ちを多少とも制御できなくなった時に発…

『ローマ史』55-06

この後アウグストゥス*1の2度目の10年任期が完了したので、もう一度最高権力*2を受理した。それを所持する希望を公にしていたにも関わらず、渋って見せた。ゲルマニアへの軍事行動が計画されたが自らはローマの領域に残り、ティベリウス*3がレヌス河*4を渡っ…

『ローマ史』55-05

しかし翌年*1アシニウス・ガッルスとガイウス・マルキウスがコンスル*2を務めた年、アウグストゥス*3は公式に帰都し、慣習*4に反して月桂樹*5をユーピテル・フェレトリウス神殿*6に奉納した。彼自身の前述の功績を祝う祝祭は行わなかった。勝利によって得た…

『ローマ史』55-04

アウグストゥス*1が制定した上述の法律やそれ以外の法律は刻版に記され、最終決定に持ち出される前に元老院で公表された。元老院は2人ずつ部屋に入って閲覧することを許され、規定が気に入らなかったり、よりよい助言が可能な時には、発言しただろう。アウグ…

『ローマ史』55-03

アウグストゥス*1は元老院の開会日を固定させた。以前は期日の明確な規定は無かったので、しばしば議員が欠席していた。月に2回の定例会議を定めることによって、少なくとも法で召喚された人々は出席しなければならないという圧力を感じるになった。また彼ら…

『ローマ史』55-02

アウグストゥス*1はドルスス*2の病気を知るとすぐに(というのも彼は遠くにはいなかったから)、ティベリウス*3を彼の元へ急いで送った。ティベリウスはまだドルススの息があるうちにまみえた。彼が死ぬと遺体をローマに運んだ。旅程の最初期の軍団の冬季陣…

『ローマ史』55-01

翌年*1ドルスス*2は, ティトゥス・クリスピヌスとともにコンスル*3になった。そして、悪い兆候が起こった。多くの建物が嵐や落雷によって破壊された。被害のあった建物には多くの神殿が含まれ、ユーピテル・カピトーリヌス*4と彼と共に祀られた神々の神殿さ…

『ローマ史』00-00

英日訳です。 カッシウス・ディオ - Wikipedia 底本 Cassius Dio — Book 55 Dio's Rome, Volume 4 by Cassius Dio Cocceianus - Free Ebook